大学の先生を目指していた話

大学の先生を目指していた話

僕は東大の大学院を博士課程まで出ています。大学院は基本的に2年間の修士課程と3年間の博士課程があります。博士課程は修士課程の後なので、博士を取るには大学院に5年通わないといけないわけです。

そうなると22歳で大学を卒業しても、博士を取るのには最短でも27歳になるわけですね。超優秀で飛び級とかしたら別ですけども。しかし27歳まで学生やるっていうのは結構大変なことなんですよね。

今でこそ博士を持っている人材を民間企業でも活躍させようという流れはありますが、僕が卒業した当時はそんな風潮は一切なくて、博士まで行ってしまうと民間で就職するのは難しいと言われていました。

僕はなぜ博士まで行ったかというと、大学の先生になりたかったんですよね。大学の先生になるには、基本的に博士号を持ってないとなれません。ただ、大学の先生の実態を徐々に知っていくと、「これは厳しい世界だな」と思って、僕は途中で起業する方に舵を切りました。

大学の先生は狭き門でして、上がつかえているとなかなかポストが開かないんですよね。特に国立大学の教授の定年が5年間伸びましたし。また今は若手の教員は、ほとんどが任期付きなんです。

だいたい5年間の任期で、その間に大学で正規雇用のポストが開かなかったら、またどこか別の大学に応募するってことを繰り返さないといけません。ジャンルにもよりますけども、僕がいた工学のジャンルでは、任期付きとはいえ、常にどこかしらの大学の募集はあったので、全国色々な大学を点々とするのが苦でなければ、職にあぶれる可能性はあまりなかったです。

とはいっても不安定な職業には変わらないので、大学の先生を目指すのは本当にコスパが悪いのが現実です。今だったら大学の先生をやりつつ副業で稼ぐ的な選択肢もあったかもしれませんが、そこまでして大学にしがみ付く必要はないかなと思っています。